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【2025年FA市場はどうなる?どうする?】リタール 新岡 卓氏「設計・製造連携の有効性を訴求」

リタール 新岡 卓 代表取締役社長

2024年は、前年度比で売上は増加し、為替の影響で利益が横ばいとなったが、全体としては良かった。

営業組織の改革を行い、ソリューションやチャンネルに特化したことでより顧客ニーズに沿った提案ができるようになりつつある。今後さらに専門性を深化させて設計・製造連携による生産性向上を訴求していく。

その要石となるのが、2024年9月にオープンした「リタール アプリケーションセンター」だ。「EPLAN Pro Panel」で設計した三次元設計データを、穴あけミル加工機や全自動配線加工機に取り込んで筐体加工や線材加工を行い、配線設計・作業支援ソフト「Smart Wiring」を使って実際の盤への配線作業を体験できる。またお客様が作成した設計データの検証も可能だ。今後センターを活用して、より多くのお客様に全体最適による生産性向上の圧倒的なレベルアップを体感してもらいたい。

2025年は、半導体分野、自動車や二次電池への投資環境が不透明な状況だ。またトランプ政権による輸入関税の引き上げによる世界貿易への影響が大きな懸念材料となり、日米の金利差の変化による為替の影響はユーロをも巻き込み、当社への影響も大きい。

営業面では、前年同様にソリューション営業とチャンネル営業の深化を進める。Eplanと共同でバリューチェーンチームを組成してナレッジの組織学習に取り組み、設計・製造連携による生産性向上の訴求を強化する。ITとエネルギー分野は増員して新たな事業構築に取り組む。新商材のバスバーシステム「RiLineX」や1MW級のラック冷却が可能な「DLC」のビジネスモデルを構築する。また新商品のエンクロージャー「VX」を1月に発売した。従来よりも機能を高めつつ価格は据え置きとしたので切替を促していく。

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