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【2025年FA市場はどうなる?どうする?】サンワテクノス 松尾 晶広氏「国内外で顧客密着体制を構築」


サンワテクノス 代表取締役社長 松尾 晶広

2024年は、EV向け設備投資の減少や中国の需要不足など厳しい経営環境だった。業務提携したエムテックなど、当社は自動化分野に強みを持つが、設備投資の減速により成約に繋がりにくかった。車載に関しては国内では生産が上がってきており、順調な売上に繋がっている。

第11次中期経営計画の中心的営業施策である顧客セグメント戦略に加え、4月から営業組織を国内5支社・海外3地域統括、2部体制とし、強みである顧客密着体制の強化と地域の完全掌握を進めてきた。

2025年は、テスラが自動運転EVを生産開始すると発表し、中国も続くと見ている。サプライチェーンの在庫は適正水準に近づいており、具体的な需要が見えてくれば設備投資も始まる。またトランプ政権の関税対策でインドやASEANへの生産移管の加速も考えられ、そちらでも新たな需要が期待できる。米国でも製造の国内回帰と移民拒絶政策から自動化需要はさらに高まるのではないか。

2025年度から第12次中期経営計画がスタートする。2024年度にロジック・アンド・デザイン社と資本業務提携を行ったが、今後も尖った技術へ投資を続け、国内顧客へのソリューション提案力を高める。同時に、海外39拠点を通じて海外優良企業を開拓し、将来的な現地法人の現地化を進める。必要に応じて国内外の拠点を新設し、さらなる顧客密着体制の構築を目指す。

また世界的な労働力不足の解決に向け、自動化関連製品のパッケージ販売を強化する。そのためには納入した設備のメンテナンス体制が必要であり、グローバルネットワーク活用やアライアンス等も検討する。

長期ビジョン 「Sun-Wa Vision 2030」の達成とその先の100周年へ向けて企業価値向上の施策を次々と展開する。これからも当社へ期待して欲しい。

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