RYODEN 取締役社長 富澤 克行
2024年度のFA事業は、中国市場減速の影響とモノ不足に対応してBCP在庫を先取りした顧客も多く、厳しさが続いている。一方で当社の中国事業は、成長分野攻略を着実に推進してきた成果が刈り取れており、上半期売上は過去最高となった。
製品面では、統合監視制御システム「Remces(レムセス)」が、カーボンニュートラルに向けて「環境・エネルギー効率化と生産ラインのマネジメント最適化・強化を同期して改革に取り組むべき」という潜在的ニーズを掘り起こすソリューションとして評価され、システム案件が好調に推移した。食品を中心にこれまで取引のなかった中堅企業の受注が増え、新規顧客獲得に大きく貢献している。
2025年度は、中国市場は回復が予想され、ローカル設備メーカーの拡大基調が続くのは間違いない。欧米への輸出拠点として東南アジアへ進出する中国企業が増えており、現地でのシステム対応や環境対策など新たなニーズにしっかり対応していく。
米国市場は、人件費高騰対策として生産効率化・自動化投資が拡大しており、センシングを中心に人作業からの自動化提案に注力する。
日本市場は、人手不足対応投資に加え、環境・エネルギーマネジメント市場では当社が得意な中規模案件が拡大するとみており、総合的な事業展開で売上を伸ばしたい。またバイオミメティクス(生物模倣)の専用レーザー加工機など、幅を広げたソリューション展開を進めていく。
市場・お客様が求める価値創造にいかに貢献するかがますます重要になっており、これに応えられる独自ソリューション「RYODEN Tii!」のさらなる強化・拡大に取り組む。お客様の真の潜在ニーズを惹起して「その手が、あったか。」と言っていただける提案を実行・実現する取り組みに注力したい。