- 2024年12月26日
令和の販売員心得 黒川想介 (126)
FA販売員が、まだ馴染みのない顧客を訪問した際、再び訪問したい旨を伝えるとよく言われるのが「何か面白い情報があれば持ってきて欲しい」という言葉だ。これを真面目に考えて、次回の訪問のアポが取れた時にどんな商品を紹介すればいいのか、と悩むFA販売員は多い […]
FA販売員が、まだ馴染みのない顧客を訪問した際、再び訪問したい旨を伝えるとよく言われるのが「何か面白い情報があれば持ってきて欲しい」という言葉だ。これを真面目に考えて、次回の訪問のアポが取れた時にどんな商品を紹介すればいいのか、と悩むFA販売員は多い […]
人には環境に合わせて自然に変わっていく順応性があり、外的刺激に応じる適応性もある。考えなければならない環境に置かれれば真剣に考える人が出てくる。戦後、落ち着きを取り戻した昭和の子供たちの遊びはいい例である。遊び盛りの子供たちは、ものが十分にない環境の […]
営業の成果は売上額で表される。売上を上げるのに営業力が試される。営業力と営業スキルは同義語であるが、FA営業ではニュアンスが少し違う。一般的な営業力とは、手短に言えば「営業経験の豊富さで人を惹きつけること」を意味する。しかしFA 営業では「電気技術的 […]
機械は何らかの信号が入ってこない限り、同じことを正確に繰り返してくれる。したがって、同じ品質の量産に適している。一方、人の作業は間違いをするが、臨機応変の行動が取れる。したがって、多様な作業工程に向いている。工場では自動機がたくさん稼働しているが、そ […]
FAマーケットが発展する過程で、1970年代前半の頃、FA機器メーカーは省力化の店というチャネルを作った。それは制御機器を売る販売チャネルではなく、省力化設備や治具を製作する小規模ベンダーだった。 当時、中規模程度の工場には数種類の工作機械があって、 […]
平成で足踏み状況にあった国内総生産は、令和に入ってから少しずつ上昇し、ようやく 600兆円の大台を超えた。 日本の高度成長が始まっていた前回の東京オリンピックの頃は国内総生産は 30兆円の規模であり、日本企業の大半は中小企業であった。 その頃の電気業 […]
FAマーケットの黎明期にはFA営業にとって盤メーカーは大きな存在であった。当初は受配電盤、分電盤、動力盤が主であり、制御盤はわずかなものであった。その制御盤用モーターを入切するプランジャーのマグネットスイッチ型リレーで制御回路が組まれていた。プラグイ […]
現在、隆盛を誇っているFAマーケットではオートメーションという言葉を使った会話は皆無である。しかしFAマーケットの黎明期にはオートメーションという言葉をよく使った。その言葉には夢があった。製造現場でオートメ化が進めば将来は全ての機械設備は自動で動き、 […]
オートメーションという言葉や概念は製造現場の機械設備自動化だという理解から始まっている。製造現場のオートメーションによって国内経済が成長しオフィスの近代化が始まった。オフィスの生産性向上から多くの事務機器が生まれた。各種の事務機器を装備することがオフ […]
一九五六年はオートメーション元年と言われている。この年に日本で初めて現在のセンサーに相当する繰り返し精度の高いマイクロスイッチの生産が開始された。その後FAマーケットは急速に広がった。 7年後にはメーカーの直販では対応ができなくなり、有数の販売店が […]
デバイスとは回路、システムの構成単位である。ITでよく見かける構成単位に情報端末デバイスがある。これはパソコン、スマホのように単体で動作し、インターネットにつないで使う。もう一つは周辺デバイスがある。これはキーボード、USBメモリーやマイクのように情 […]
販売店営業が言う課題解決やお困りごと解決のなかで多いのは「商品探し」である。「だいぶ前に製造中止になっていた」「仕様変更のため寸法や性能が合わなくなった」「納期問題が発生した」等々の理由でその要求にあった製品の探索依頼が顧客から飛び込んでくると懸命に […]
FA販売店は自動化を構成する機器や部品の売買仲介を生業とする。FAマーケットが立ち上がって広がりを見せ始めた頃に、このFA機器部品に注目し力を入れた販売店にはいくつかの系統があった。多かったのはモータや電線を扱う電設資材店、機械部品や工具を扱う工具店 […]
城は守りのために作られた。いくら堅固に作ってもいつかは破られる。それでも城は敵にとって抑止力となり、味方にとっては誇りであり、士気を高める存在になる。せっかく大金を投じて作った城である。城が抑止力にならないくらい強大な敵であっても守り抜いて勝たねばな […]
FA販売店はFA機器や部品を扱い、FAメーカーとFA機器部品ユーザーの間に立って売買の仲介を生業にする。戦略なくして成長なしと言われる通り各販売店は戦略を立て行動しているが商材とマーケットが同じであるため戦略も似てくる。 各販売店が平成年間にやってき […]
FA販売店の営業は顧客の案件に動かされ、顧客からの用件に走る。その一方で取扱いメーカーの強い影響を受ける。FAメーカーは商品の機能を高めて生産設備、生産システムの高度化に対応できるFA商品を開発し販売する。FA営業がそれらの機器をを売るためには技術的 […]
世間では「いい陽気になりました」「寒くなってきました」等と言って、あいさつを交す。同じ様なあいさつでもビジネス世界のあいさつは「忙しいですか」「景気はどうですか」となる。世間のあいさつと同様に軽いコミュニケーションではあるがビジネス世界ではさらりと相 […]
唐突であったがFAの販売員に「自動化と省力化の違いは何だろうか」と質問してみた。「人の作業の介在なしに作動するのが自動化であるし、省力化も人を省くのではあるから言葉は違っても同じ意味で使われると思う」という回答であった。間違っているわけではないが厳密 […]
機器部品販売店では主力に扱う商品によって販売マーケットが違っている。しかしそれらのマーケットは単独で存在するわけではない。各々のマーケットは他のマーケットと重なる部分がある。例えば事務機器、計測機、情報機器等々を作っている非動力系の機器メーカーに出入 […]
中学・高校時代に学んだ中国の王朝の歴史を殷・周・秦・漢・・と声を出して憶えた人は多いのではないかと思う。 史上最古の殷王朝を滅ぼした周は前代の王朝名を「殷」と称していたため歴史上は殷となっていたが「殷」自身は「商」と称していたことが遺跡の発掘でわかっ […]
歴史上で戦国時代の終了は為政者が他者から奪い取る土地がなくなってしまったことを意味している。この時代の土地とは為政者にとって利益の唯一の源泉であるといってもいい資本であった。一所懸命という言葉ができたように土地持ちの者は命を懸けて土地を守ってきた。し […]
FAとはファクトリーオートメーションである。FA店の販売員は工場設備の自動化をマーケットとして営業活動をしている。FA店の販売員はメーカー側に立って製造工場を日々訪問し営業活動をする。顧客の言い方、FA機器部品メーカーの言い分に動かされ、立ち止まって […]
FAの販売員に営業は大変か、おもしろいかと問えばおもしろいという人が多い。彼等は営業活動を通して多くの商品の種類を知っているしFA営業には欠かせない電気に関する知識も身につけている。彼等が活動した平成時代は国内のFAマーケットは昭和期のように大きく伸 […]
日本の製造業は弱くなったとか、まだ強い現場力があるとかをよく耳にする。その評価はどこから来るものなのか。ひとくくりにして言えるものではない。こと製造工場の強さに関して言えばその強さとは徹底したコスト管理と生産の効率化による生産性の向上である。戦後の高 […]
FA商品を扱う販売店は各々が得意とする商品で顧客を作る。その顧客から新たなニーズが発生する。そのニーズに応えて当該商品を探して納入する。こうして商品の種類がふえ、ふえた商品で新たな顧客を作って販売の領域を広げる。この様な過程を得て成長してきた販売店は […]
販売員の最大の関心事は売上である。売上を上げるために新商品等のカタログを持って顧客をぶらりと訪問する。何か商談テーマはないかと探りを入れる。この様な顧客訪問ができる販売員は顧客とパイプが割に太い販売員である。テーマを探しに訪問するのであるからそこそこ […]
オートメーションという言葉がアメリカからやって来たのは一九五二年頃だと言われている。その三年後にはソニーがトランジスターの製作に成功している。そしてその翌年の一九五六年には日本産業界でオートメーション時代が始まっている。大戦後11年目の事である。以降 […]
これまでに販売店は売上が低迷した時、まっ先に頭に浮かぶのは新規客開拓であった。今でも新規客開拓で売上低迷を打開したい気持ちは同じである。しかし以前とは違って中小の販売店にとって新規客開拓はかなり難儀なことである。難しいからといっても手をこまねいている […]
日本の製造業のものづくりはお家芸と言われてきた。現在でも、ものづくりは堅調であり、世界的にも優位のレベルにある。製造業が機械を使った手作り生産からFA生産に移行し始めて以来FA系の販売店はずーっと製造業と付き合って繁栄してきた。したがってFA営業には […]
マズローの欲求五段階説を研修で学んだ営業関係者は少なくない。人間は欲求によって行動する。その欲求は生きたい、生存したいという欲求から始まり、自分が描く理想の生き方を実現したいという自己実現の欲求まで五段階になっているという説である。三段階目に所属の欲 […]