2023年は横ばいも、SIer協業によるソリューションが増加
ーー2023年の景況はいかがでしたか?
売上・利益の観点では、前年同等の推移となりました。上半期はサプライチェーン回復に伴う昨年の受注残の影響から好調でしたが、下半期は中国の景気下降や上期の影響を受けた受注鈍化によって低調推移となりました。
結果として、おおむね昨年同等で着地しました。
ーー特に良かった製品・サービス、施策などは?
市況が苦しく、生産設備導入による受注向上が望めないなか、顧客のDX推進への案件として、主にAVEVAの産業ソフトウェアを中心としたSIerとの協業によるソリューション展開が大きく増加しました。
このほか表示器付きコントローラー「STCシリーズ」が新規市場を開拓する際のきっかけになったり、12月にOT環境向けサイバーセキュリティーソリューションの「MSS」のサービスローンチなどを進めました。
また納期問題が長期化しているインバーターについても、昨年同様、短納期を評価してもらい大きく伸びました。
2024年はデジタル投資が引き続き旺盛
ーー2024年の見通しについて
2024年前半は引き続き中国景気減退により苦しい状況が続くと見ていますが、後半は持ち直すものと考えています。その一方で、デジタル投資は非常に旺盛で、当社のソリューション、サービスに大きなチャンスがあると考えています。
スマート&サステナブル工場の実現を支援するDXサービス
ーー注力・期待する製品・サービスなどは?
1月からスマートかつサステナブルな工場実現を支援するサービスとなる製造業向けDXサービスを開始します。特に注力するのは一般消費財・食料/飲料品・薬品業界。一昨年に立ち上げたソリューション営業部が主導し、エネルギーマネジメント関連の他事業部ともより密に連携しながら進めていきます。
またリニアモーションやロボットでモーション系ソリューションの製品ポートフォリオを拡充するほか、食料・飲料業界向けDCS「ProLeiT」の提案をスタートします。産業用パソコンのラインナップも拡充する予定です。
統合・包括的なソリューション提案を加速
ーー2024年の意気込みなど
製造業においても「エネルギー効率」を持続可能性の観点で意識する機会が各段に増えました。当社がそういった顧客ニーズにも応えられるポートフォリオを備えた会社であることを知ってもらう機会を増やし、単純なコンポーネント提供から統合的・包括的なソリューション提案への移行を加速していきたい。
その軸として、コンサルティングからソリューション導入、運用サービスまでをワンストップで支援できる仕組みを今年本格的にスタートし、注力していきます。